妊娠初期、卵巣の痛みや腫れ〜対処法や病気について〜

妊娠初期、卵巣の痛みや腫れ〜対処法や病気について〜

 

妊娠初期は、これまで感じた事がなかった、
卵巣の痛みや腫れを感じる事があります。

 

妊娠中、特にまだ胎児が安定しない
妊娠初期は、些細な事でも不安になりやすい
のに、生理痛とは違う痛みや腫れがあると
ますます不安になりますよね。

 

今回はそんな、妊娠初期に起こる卵巣の痛みや
腫れについて、考えられる原因や対処方法や
痛みが引かないとき病気についてご紹介します。

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そもそも卵巣の痛み、腫れとは

 

下腹部が重たくなる生理痛の痛みとは
異なる痛み、違和感。足の付け根辺りが
ピリピリ、チクチクしたり、お腹が
引っ張られるような感覚があったり。

 

そんな痛みや違和感を感じたら、
それは卵巣痛かもしれません。

 

とは言うものの、実は卵巣自体には
痛覚はほとんどないんだとか。

 

実際には、腫れた卵巣が周りの神経や
下腹部を圧迫する事で感じる痛み・・・
それが卵巣痛なんだそうです。

 

 

卵巣の痛み、腫れの原因

 

ではなぜ、卵巣が腫れるのか。
その原因をいくつか挙げていきます。

 

まず1つ目の原因。

 

卵巣は
「卵子を作る」
「女性ホルモンを出す」
という働きをしています。

 

排卵期や妊娠期、卵巣はフル稼働しています。
そのため、卵巣が普段より大きく「腫れ」
てきます。その際、腫れた卵巣が周囲に
影響を与え、卵巣痛が起こるのです。

 

排卵期に起こる卵巣痛(排卵痛)の場合、
排卵は左右にある卵巣から交互に行われるため、
排卵を行った片側だけに痛みを感じます。

 

敏感な方はどちらの卵巣から排卵したか、
この痛みではっきりとわかる事も
あるそうです。通常、排卵期に感じる痛みは
2、3日で収まります。

 

妊娠初期に起こる卵巣の痛み、腫れは大きな
ホルモンバランスの変化により起こります。

 

この痛みは数日では落ち着かない事もあります。
一般に安定期と呼ばれる妊娠5ヶ月頃、
これはおなかの中で胎盤が完成される頃です。

 

その頃まで、卵巣はフル稼働しプロゲステロン
という妊娠を継続させるのに必要な黄体ホルモン
を出し続けています。

 

胎盤が完成されると、胎盤自ら、その
プロゲステロンを分泌するようになりますので、
卵巣の働きも落ち着いてくるため、腫れも
治まってきます。

 

そして、2つ目に。

 

卵巣は普段から、排卵のたびに傷つき、
修復する、を繰り返しています。

 

そのため、とても腫瘍ができやすい臓器と
言われています。

 

この腫瘍が原因で卵巣が腫れる事があります。

 

卵巣嚢腫、といわれる状態ですが、これは
妊娠が原因で起こる、というよりも、
以前から腫れていた卵巣が、妊娠の為に
検査をして発覚する、というパターンが多い
と思われます。

 

「腫瘍」と聞くととても不安になると
思いますが、卵巣の腫瘍は9割が良性と
言われています。

 

急激に大きくなる、悪性の所見がある場合を
除き、妊娠中は経過観察となることが多い
ようです。

 

 

痛み、腫れへの対処法

 

ホルモンバランスによる痛み、腫れの場合、
検診時に卵巣の腫れを指摘されることは
あっても、特に薬が出ることもなく、
「安静に」と言われることが多いと思います。

 

心配のない痛み。とはいえ、痛みがあれば、
ストレスになりますよね。

 

このストレスも、卵巣の痛み、腫れには
よくないそうです。そんな時できることは、
温める事。

 

そもそも、冷えは妊婦さんにとって大敵です。
特に下半身。温めて血流を良くすることで
痛みが緩和されます。下腹部を温めるための
腹巻はもちろん、靴下をしっかり履いて足元
まで十分温めましょう。

 

また、市販されている陰部パックも有効です。
おりものシート代わりに布ナプキンを使用
することもおすすめ。
陰部に当てる事で子宮を温める事ができます。

 

そして、もちろん、安静に。
痛みがある時はもちろん、そうではない時も、
ゆったり、のんびりと生活しましょう。

 

妊娠中は特に、精神的なものも体調に大きく
影響してきます。家事や仕事、上の子の育児、
上手に手を抜いて、心も体もゆったりと過ごす
ことを心がけましょう。

 

動作自体もゆったり動くことを心がけると、
痛みも軽減されやすいです。

 

 

痛みが引かない場合、病気の可能性は?

 

妊娠初期に起こる卵巣の痛みや腫れは
心配のない事がほとんど。痛みを感じた時は、
無理せず、安静にして、穏やかな時間を
過ごすうちに、痛みが引いてくると思います。

 

とはいえ、まれに大きく腫れた卵巣が茎捻転
を起こす事があります。

 

私は初めての妊娠の際、初診時に
「卵巣がかなり腫れているね」と言われ、
安静にするように言われたにも関わず、
普段通りの生活を送っていた所、ある朝、
下腹部に激痛が。

 

いつもと違う痛みにも関わらず、
「しばらく待てば収まるかも」と
自宅でウンウン唸りながら過ごす事30分。
痛みは増すばかりで、結局、救急車を呼んで
病院に緊急搬送されました。

 

搬送先での診断結果は「卵巣嚢腫茎捻転」。
そのまま緊急手術で片方の卵巣を摘出
することになりました。

 

幸い、お腹の赤ちゃんは手術を乗り越え、
無事に育ってくれましたが、できれば
避けたい経験ですよね。

 

今思えば、絶対にやらなくてはいけない
家事はなかったし、必要以上に痛みを我慢
する事もなかった、と思います。

 

そして、卵巣が腫れているとどうなる
可能性があるのか、と言った知識も全く
ありませんでした。あまりに自分の体に
無頓着だったと思います。反省。

 

 

少しでも、違和感を感じたら病院へ

 

妊娠初期の卵巣の痛みはホルモンバランス
による、いわば自然現象で、妊娠経過
とともに自然に治まっていく、心配のない
ものがほとんどです。

 

けれど、痛みや違和感を感じるのは気分が
良いものではありませんよね。

 

少しでも、その痛みや腫れが軽減するように、
体を温め、ゆったりとした時間を過ごして、
心も体も穏やかに過ごしましょう。

 

そして、とっても痛い目に遭わなくてよい
ように、病院から「安静に」という指示が
あったら、くれぐれも安静に。

 

ご自身の体はご自身が一番よくわかると
思います。

 

「あれ、この痛み、いつもと違うな」と
思ったら、「でも大丈夫かも」と思わず、
病院の指示を仰ぎましょう。

 

大事な大事な命を育んでいる身体です。
心も体も穏やかに、限りあるマタニティライフ
を楽しく過ごしていきたいですね。

 

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