帝王切開の痛み止めについて知っておいて欲しいこと

帝王切開の痛み止めについて知っておいて欲しいこと

 

帝王切開術で出産された方お疲れ様でした。

 

初めての体験の方は、
不安でたまらなかったんではないでしょうか?
また、2人目以降の方は、
久しぶりの体験で色んな事を
思い出したのではないでしょうか?
今回は、帝王切開術の痛み止めについて紹介します。

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帝王切開術って痛いの?作用時間や消失時間について

 

準備段階として、帝王切開術の麻酔について解説していきます。
まず、腰椎麻酔をします。
具体的には、腰部から麻酔を入れてから
手術が始まる流れになります。

 

簡単に言えば、下半身に麻酔がかかる方法です。
なので、麻酔が抜けるまで下半身の感覚が鈍くなります。
まれに、麻酔の効きが悪い方もいますが、
ほぼと言ってよいほどそんな人はいません。

 

最悪、効きが悪い場合は、全身麻酔に切り替えます。
平均作用時間は、薬剤によって変わりますが、
日本産婦人科学会の文献では
作用発現時間は、2〜5分と言われています。

 

 

麻酔がかかっている時は、
不思議な感じになるとよく妊婦さんは言われます。
麻酔は、痛みを遠のかせる魔法なのですが、
全部の感覚を麻痺させるわけではありません。

 

皮膚が引っ張られている感覚、
皮膚のピンセットでつままれている感覚…もちろん感じます。
完全に感覚が麻痺するのは、痛みだけですが、
運動感覚も鈍くなるので意識的に足を動かすことはできません。

 

 

では麻酔の切れる時間はどうなんでしょうか?
と思う方いますよね。
麻酔の切れは、人それぞれです。
早いと術後1時間くらいから指先が動く人もいます。
同様の学会の文献では、2〜3時間と言われていますが、
こればかりは個人差があると言われています。

 

何故かというと、麻酔を追加をするかしないかの違いです。
痛みに弱い人は、主治医の情けで気持ち程度麻酔を
少し多めに入れることが現場でもよくあります。
ただ、基本的には、体重に合わせての
麻酔量ということは大前提です。そこはお忘れなく!

 

 

痛みに耐えられない。痛み止めが欲しい。

 

術後は、下腹部の切開創による痛み、
子宮復古により痛みがダブルパンチになります。
なぜ、ダブルパンチになるか比較できるように、
経膣分娩との違いも含め説明していきます。

 

 

経膣分娩後の3つの痛み
痛みが起こる理由をあげてみました。
・会陰切開による痛み
・子宮復古による痛み(経産婦さんでは早い人だと、翌日から痛み出します)
→これに関しては、母乳をあげるとより強くなる傾向になります。
・腰痛によるもの

 

帝王切開後の3つ痛み
・横切開、立て切開による創部の痛み
・術後の安静臥床による腰痛や全身の痛み(個人差あり)
・子宮復古の痛み

 

帝王切開後は、麻酔により
子宮復古が悪くなる可能性があります。
あえて、子宮収縮剤の点滴投与を終えてから
場合によって切り替えで内服投与があります。
つまり、痛みが強く出るのは子宮収縮剤を使用するから、
早期から痛みが強くなる傾向になります。

 

 

痛み止めのチョイス!どんな時に使われる?

 

経膣分娩の場合は、一時的に会陰切開する時に
局所麻酔を使用しますが、気にするほどの量ではないため、
食事制限や飲水制限をする必要はありません。
使用薬剤は、どんなに痛くても内服になります。

 

帝王切開後では、点滴で投与していきます。
内服に切り替えられるのは、術後1日目になります。
麻酔を使用したため、術後翌日から早期に離床をしていただき、
腹部の動きをみなければなりません。
また、吐き気がないことも見ていきます。
主治医の診察で可能であれば、
翌日の昼より飲水を始める形になります。
飲水が始まらなければ、錠剤での痛み止めは使用できません。

 

 

代表的な痛み止めの種類

 

・ソセゴン
オピオイドと呼ばれる部類の薬剤です。
代表的には、術後の痛み止め、
がんによる痛み止めとして代表的です。

 

単独で使うことはまずなく、生食注射液と混ぜて使用します。
混ぜる薬剤としては、アタラックスP
という注射液を一緒に使って行きます。

 

使った人の感想では、一時的に痛みが
引いたという人もいれば、痛みは変わらないという人もいます。
術後の痛み止めでは、代表的です。

 

作用発現時間は、2.3分〜15分程度と言われています。
投与からの作用持続時間は、2〜3時間です。
次回投与間隔としては、4〜5時間あけて使用が基本です。

 

他の文献では、3〜5時間というものもあります。
主治医の考え方にもよると推測します。
帝王切開後から術後1日目まで使用していきます。

 

 

・座薬の代表として、ボルタレン座薬が万能です。
ジクロフェナクナトリウムの座薬です。
術後に関して焦点を当てると、
点滴で効果がない時に間をあけて使用していきます。

 

また、術後1日目で離床するタイミングと
合わせて使用することもあります。
点滴と一緒で、絶食を解除されるまでの間に使用します。

 

作用時間は、30分程度。作用時間は、4〜6時間と言われています。
完全に体から薬が抜けるまでは8時間かかります。
1日2回程度。4〜5時間空けて使用可能な薬剤です。

 

 

・カロナール
アセトアミノフェンと言われる部類の薬になります。
幅広く使用できる解熱鎮痛薬です。
産科では、第一選択薬です!
市販薬でいうと、タイレノール、ラックルという薬です。
わかりやすいところでいったら、
バファリン、ノーシンピュアです。

 

ソセゴンよりは、作用は穏やかで
強い薬剤ではありません。でも、効く人は効くんです!
作用発現時間は、30分程度。
作用持続時間は、2〜6時間と言われています。
次回投与間隔は、4〜5時間空けて内服可能な薬剤です。

 

産科医が一般的に内服する薬剤になります。
体重や1回に使用する量も多く、
副作用が起こりにくいとされています。
大抵、1回の投与錠数は、カロナール200rで2錠程度です。

 

 

・ロキソニン
テレビでも、薬局でも一般薬として
注目されているロキソニンです。
抗炎症鎮痛薬として代表的な薬剤です。
幅広く使える薬剤です。
よく、単独使用をすると胃を荒らすこともあり、
胃薬と一緒に飲むことが多いです。
作用発現、作用持続時間、投与間隔ともにカロナールと同様です。
あまり使用する頻度は少ない薬剤になります。

 

ロキソニンは消炎鎮痛剤の慢性使用により、
血流が悪くなりやすいそうです。

 

また、今置かれている状況で睡眠不足、ストレスも
創傷治癒を悪化させてしまうリスクとして
考えられていると述べています。

 

私が勤めていた産院では、
ロキソニンはどうしてもの時しか出しませんでした。
なぜ、処方しないのか理由を聞くと、
傷の治りが悪くなるのを防ぐと医師は話していました。

 

教科書にないこと、
臨床経験でしか知識を得られないこと…
まだ世の中にたくさん溢れていますね。
まさにこのロキソニンの根拠が
物語っているのかもしれませんね。

 

 

痛み止めを飲むことへの影響

 

基本的には、どの薬剤でも母乳への移行はあります。
しかし、痛みを我慢して生活動作が出来なければ、
赤ちゃんをお世話することもままならない状況になってしまいますね。
結論から言うと、一般的な薬剤(痛み止め、便秘薬)は、
母乳移行はしても毒性は低いとされています。

 

産科の特殊な薬でいうと、母乳をあげたくない方が飲む薬剤は、
母乳移行するため母乳があげれません。
安心してください。産院では、母乳に影響するものは
しっかり説明があります!
思う存分赤ちゃんに母乳をあげてくださいね。

 

 

痛み止めを上手に使いましょう。

 

帝王切開後、痛みに耐えながら生活していると思いますが、
我慢はしないほうがいいです!
実際に、痛みを我慢して血圧が上がる方も
何度となく出会ってきました。

 

痛みがずっと続くわけではありません。
痛いということは、恥ずかしいことではありません!
ママが賢く快適に生活するためには、
上手に痛み止めを使っていきましょう!

 

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