妊娠中、気を付けて欲しい感染症、症状別の対策まとめ
妊娠中の女性の体は通常よりも免
疫力が低下します。
これは免疫力が強いままでは、
赤ちゃんを「異物」として
捉えてしまい、流産などの危険性が
高まるからです。
赤ちゃんを守るための体の変化に、
ママ自身も大きなストレスを抱えます。
これらも免疫力を下げる要因の1つです。
免疫力が下がれば、通常大したことのない
細菌にも悩ませることが往々にして起こります。
その中でも妊娠中、特に気をつけてほしい
感染症を幾つか紹介します。
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人からの感染する感染症
【風疹】
妊娠初期から20週ぐらいまでの間、
最も気を付けたい感染症です。
三日はしかと呼ばれ、予防接種を
受けたりや幼児期にかかったことが
あれば、抗体が出来ているため
心配ないとされますが、中には
抗体が出来ていない方もいます。
胎盤を通して赤ちゃんが感染すると、
奇形・心疾患、視覚・聴覚障害など
の恐れがあります。
【おたふくかぜ】
風疹のように奇形などの可能性は
ないとされていますが、22週〜生後7日未満
に赤ちゃんが感染した場合、肺炎や脳炎など
を起こす場合もあります。
【水ぼうそう】
妊娠初期に赤ちゃんに感染すると、
ごく稀に先天性水痘症となる場合があり、
手足が短く生まれたり、目に異常が
残ることがあります。
出産時に産道を通して赤ちゃんに
感染すると重症化する可能性も高いため、
出産予定日間近でママに発症が
あった場合、出産を遅らせるように
することがあります。
【対策】
頻繁に外出することは避け、
外出の際はマスクの着用、
手洗いうがいを徹底しましょう。
幼稚園・保育園に通っている上の子どもが
いる場合は必ず予防接種を受けているか
確認をし、受けていないものは早めに
受けましょう。
食べ物からの感染する感染症
【トキソプラズマ】
加熱不十分な肉や洗っていない果実や野菜で
見かける原虫で、赤ちゃんが感染すると
目や耳が不自由になったり、精神発達の遅れが
見られるなどの障害が起こる場合があります。
【リステリア】
カマンベールチーズ・ブルーチーズなどの
滅菌消毒されていない乳製品やイクラなどの
魚卵、鶏肉などに見られる細菌です。
赤ちゃんは胎盤を通して感染し、
早産や新生児髄膜炎・敗血症など
になる可能性があります。
【対策】
肉・魚などは十分に加熱し、
生ハムやサラミ、チーズ類の摂取を
控えましょう。野菜は流水でよく洗ってから
調理して下さい。また肉・魚類と野菜類を
調理するまな板や包丁はその都度洗剤と
水で十分に洗います。その他の調理器具や
シンク台などもしっかりと洗いましょう。
ペットからの感染する感染症
【トキソプラズマ】
ネコ科の動物の体内に寄生し、繁殖します。
糞と共に排出されるため、飼い猫の
トイレの始末などは他の家族の方に
して頂いたほうがいいでしょう。
自分で行う場合は、ゴム手袋やマスクを
着用し、作業後はきれいに手洗いを
する必要があります。
トキソプラズマは土の中にも生息しています。
砂場で子どもと遊んだ後、庭で
ガーデニングをする際も同様に注意が必要です。
【オウム病】
インコやオウムなどの鳥類の糞から感染し、
気管支炎や肺炎を引き起こします。
妊娠中に感染すると、早産・流産・死産などを
引き起こす可能性があります。
日本での重症例は少ないようですが、
2017年に入り、妊婦の死亡例がありました。
家で鳥を飼っている場合は、主治医の先生に
一度相談して見て下さい
【対策】
動物との接触を極端に避ける必要は
ありませんが、糞などを介して感染するため、
マスクの着用や手洗いうがいなどの
予防をこまめに行いましょう。
その他の感染症
【クラミジア感染症】
性交渉により感染し、透明や薄い白の
おりものが増えます。
妊娠初期であれば流産・早産の
リスクがあります。
胎盤を通して赤ちゃんに感染することは
ありませんが、出産時に感染していた場合、
産道を介して赤ちゃんに移る可能性があります。
結膜炎や肺炎など、赤ちゃんに大きな
負担をかけることがあります。
性交渉による感染症は他にも
梅毒・淋病・HIV感染症などがあり、
性交渉の際には必ずコンドームの
着用が必要です。
参照:妊娠中のクラミジア〜症状や危険性について知っておいて欲しいこと〜
【カンジダ膣炎】
普段は口の中や皮膚内に常在している細菌で、
抵抗力が低くなったり、ストレスなどが
原因で膣内に炎症が起こりやすくなります。
白くポロポロしたおりものが増え、
外陰部にかゆみが生じるのが特徴です。
クラミジアと同様に胎盤からの赤ちゃんへの
影響はありませんが、産道を介して移る場合
があります。口元や股が白くなったり、
おむつかぶれがひどくなることがあります。
妊娠中デリケートゾーンにかゆみが生じた
場合は、下着やナプキンやおりものシートを
こまめに交換するなど、清潔に保ち、
菌の繁殖を防ぎます。
また、石鹸の使用は炎症部に刺激を与える
場合がありますので、シャワーなどを利用し、
流水で洗浄しましょう。
【尿路感染症】
尿が膀胱から逆流し、炎症を引き起こすもので、
尿道炎・膀胱炎・腎盂腎炎などがあります。
ホルモンバランスの変化や子宮が大きくなって
他の腹部臓器を圧迫することなどで、
起こりやすくなります。
お腹の赤ちゃんに直接影響はありませんが、
子宮内部の網膜などに影響を及ぼし、
早産を引き起こす場合があります。
トイレが近くなるからと水分を控えるのは
避けましょう。逆に水分をしっかりとり、
我慢せずにトイレに行きましょう。
感染症予防・かかった時には
最初に述べた通り、妊娠中は免疫力が低下し、
病気になりやすい状態です。
規則正しい生活と十分な栄養の摂取、
しっかりと休息をとることが必要です。
リラックスした環境で休息をとることで、
ストレスなどによる免疫力低下を防ぎます。
外出時にはマスクを着用し、帰宅後の
手洗いうがいは入念に行いましょう。
朝起きてすぐの歯磨きは、寝ている間に
口腔内にたまった細菌を撃退するのに
効果があります。
インフルエンザの予防に推奨される
方法ですが、妊娠中の感染症予防にも
同様の効果があります。
また、感染症の多くは発熱や吐き気など
の症状が出ることが多いです。
毎日体温を測定し、38℃を超える熱が
出た場合にはすぐに病院を受診
できるように備えておくことも大切です。
医師と家族と二人三脚で、大切な赤ちゃんを
迎える準備を怠らないようにしたいものです。
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