トキソプラズマについて妊娠中知っておいてほしいこと

トキソプラズマについて妊娠中知っておいてほしいこと

 

妊娠してから受ける妊婦検診。
初期の頃に、血液検査をしますね。
HIVや風疹、クラミジア等にならんで、
「トキソプラズマ」という記載
があることにお気づきでしょうか?

 

なんとなく、聞いたことがあるような、
ないような、妊婦検診で検査するのだから、
何か、妊娠中の赤ちゃんに影響のある、病気なのかしら?
くらいの認識の方が多いのではないでしょうか。

 

今日は、この「トキソプラズマ」
について、少し勉強してみましょう。

 

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トキソプラズマって何?

 

実は「トキソプラズマ」は寄生虫なのです。
この寄生虫に感染すると、「トキソプラズマ症」
という感染症を発病します。
一般的に、健康な大人が感染したとしても、
特に症状は出ないことが多く、出たとしても、
数週間の風邪に似た症状だと言われています。
一度感染すると、抗体が
出来るため、二度と感染しません。

 

ただし、胎児が感染すると、脳や神経に影響を
受ける「先天性トキソプラズマ症」
を起こす可能性が高いと言われています。

 

 

トキソプラズマの感染源

 

トキソプラズマの感染経路は、
口、鼻、目から体内へ入ってきて、
感染してしまう、経口感染です。

 

トキソプラズマは感染している家畜の肉
を生で食べたりすると感染することがあります。
鳥刺しや、生ハムが例に挙げられています。
また、トキソプラズマに感染した猫の糞
を触ってしまったり、土の中にも普通に
生息しているため、土を触った手からも
感染することがあります。

 

また、母子感染といって、
トキソプラズマに感染したことが
ない妊婦さんが、妊娠中または、
妊娠直前に感染すると、
胎盤を通して、胎児にも
感染することがあります。

 

潜伏期間は特定するのは難しいようですが、
だいたい5〜20日くらいと言われています。

 

 

トキソプラズマの胎児への影響

 

妊婦さんから胎児へ感染した場合、
初期の段階では、感染すること自体の
可能性が低いのですが、感染してしまうと
重症化することがあります。

 

妊娠初期の胎児が先天性トキソプラズマ症
になると、死産、流産、低体重、水頭症、
視力障害、脳症などの
危険性が高まると言われています。

 

また、胎児がトキソプラズマ症に
感染して、治療できなかった場合、
出産時には症状がなくても、
成長してから、症状が現れることもあります。

 

 

トキソプラズマの予防

 

では、どのように注意すれば感染を
防げるのでしょうか?

 

 

・生肉を避ける
料理をするときに、
生肉を触ったら、必ず
手を洗いましょう。
生肉にはしっかり火を通して
食べることを心掛けましょう。

 

 

・猫の糞を触らない
猫を飼っている場合は
糞の処理は家族に頼みましょう。
もし、自分で処理する場合は、手袋をしましょう。
処理後はしっかり手を洗ってください。

 

猫は、室内飼いで生肉を
食べていなければ、トキソプラズマに
感染しませんので、妊娠期間中は
猫を屋外へ出さず、非加熱肉の
エサではなく、ドライフードの
キャットフード等を与えると
良いと言われています。

 

 

・土を触らないようにする
土の中にもトキソプラズマがいるので、
ガーデニングや畑仕事などを
する時は必ず手袋をつけて、
終わった後はしっかり手を洗いましょう。

 

 

恐れ過ぎないで

 

私も妊娠中にトキソプラズマを
意識したことはありませんでした。
また、周りでトキソプラズマに感染した
という話も聞いたことがありませんでした。

 

今回、久しぶりに母子手帳の
血液検査ページを見てみると、
トキソプラズマの検査を受けていました。
私の場合は免疫はなかったようです。

 

少し調べてみると、
以前宮崎県で行われた調査では、
妊婦の抗体保有率は10%程度という
調査報告がありました。

 

また、日本で先天性トキソプラズマ症感染
で産まれた赤ちゃんは
'06〜'08年の3年間で16人
という報告があります。

 

流産、死産の数は入っていませんが、
それほど多くはありません。
妊婦さんの抗体保有率は
それほど高くないものの、
出産数に対するトキソプラズマ症
発症率はかなり低いものだと思われます。

 

注意するに越したことはありませんが、
過度に恐れる必要もないと思われます。

 

 

知っておくことが大切

 

妊娠すると、妊婦さんは自分が
お腹の赤ちゃんを守っていかなければ、と
心配になりますよね。
もちろん、赤ちゃんを守れるのはお母さんですが、
どんな病気も、感染症も正しい知識と
正しい処置をすれば、過度に
心配することはありません。

 

「○○になってはいけないから
○○はできない。」
と思い込み過ぎず、
正しい知識をもって、お母さん自身が
毎日を楽しんで生活を送ってください。
心配性になりすぎるより
赤ちゃんにはずっと良い影響が
あるのではないでしょうか。

 

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