胎児、染色体異常の原因や検査方法〜ダウン症などの可能性について〜

胎児、染色体異常の原因や検査方法〜ダウン症などの可能性について〜

 

この子が健康であってほしい、
不自由なく生きてほしいと
我が子の幸せを願わない母親はいないでしょう。

 

それは妊娠中のお母さんも同じだと思います。

 

医療技術が進んだ現代では、
以前は分からなかった出生前の胎児の状態が
細かく分かるようになりました。

 

出生前検査、胎児の染色体異常という言葉を
聞いたことがある人も多いと思います。

 

染色体異常とは何か、
原因や検査方法、ダウン症などの可能性について
体験談を交えてご紹介します。

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染色体異常とは?

 

「染色体異常」とは、遺伝子情報を伝える
「染色体」の数や構造が通常とは異なる状態のことをいいます。

 

人間の遺伝情報は、父親と母親それぞれ23本ずつの
「染色体」に受け継がれます。

 

23本と23本が1つになり、
46本の「染色体」を持った受精卵が
細胞分裂を繰り返し成長していくことが
生命誕生の始まりです。

 

この通常は「46本ある染色体の数や構造が
異なること」が染色体異常です。

 

その結果、遺伝子が通常通りに働かず、
様々な症状が起こります。

 

染色体異常による症状に、ダウン症があります。

 

症状は人によって様々ですが、
顔立ちに特徴があったり、
運動、知能、精神の発達障害を伴ったりします。

 

障害の軽重も様々で、
日常生活に介助を要する人もいれば
一人で旅行に行けるほどの人もいます。

 

書家として活躍されている方や
大学に通って学んでいる学生さんもいます。

 

ダウン症の方は、人懐っこく、
感性が豊かな人が多いとも言われます。

 

 

染色体異常が起きる原因

 

染色体異常は受精の過程で起きるものです。

 

受精の過程について詳しく見てみましょう。

 

両親がそれぞれ23対46本持っている染色体は
半分に別れて、卵子と精子に23本ずつ託されます。

 

精子と卵子が受精する際に、
23本ずつの染色体は再度くっつき、
新たに46本の染色体を作ります。

 

この受精自体が大変なリスクを伴うものなのです。

 

受精の際に突発的な変異が起こることがあり、
それが染色体異常の原因とされています。

 

したがって、誰でもが染色体異常の子どもを
妊娠する可能性を持っています。

 

だたし、その確率は高齢になるとより高まるとされています。

 

 

染色体異常を調べる主な検査

 

現在では、胎児の時期から染色体異常を調べる
検査があります。

 

1つ目は、妊娠10〜14週に行われる
NT検査(超音波検査)です。

 

この検査は、エコーで胎児の首の後ろのむくみを調べます。

 

むくみが3.5mm以上あると染色体異常を持っている
可能性が高くなります。

 

むくみは成長に伴って消える場合も多く、
通常の胎児にも見られることがあります。

 

あくまでも可能性を調べる検査です。

 

2つ目は、妊娠15〜18週に行われる
トリプルマーカー検査です。

 

母親の血液を採取して
3つの指標となる物質を調べます。

 

4つの物質を調べる場合は
クワトロ検査と呼ばれます。

 

どれくらいの確率で染色体異常の可能性があるかが分かります。

 

NT検査よりも正確な確率を予測することができます。

 

3つ目は、妊娠16週目以降に行われる羊水検査です。

 

局部麻酔をした上で、母体の腹部に針を刺して
羊水を採取します。

 

その中に浮いている赤ちゃんの細胞を培養して調べます。

 

NT検査やトリプルマーカー検査とは違い、
染色体異常の有無を確定させることができます。

 

ただし、300人に1人程度で流産の可能性があり、
費用も16万円以上と高額です。

 

 

NT検査で胎児にむくみがあると言われた体験談

 

妊娠10週目の健診のときに先生から
「赤ちゃんの首の後ろにむくみがある」と言われました。

 

初めての腹部エコーをとった日で
手が動く様子や3Dエコーで見える立体的な映像を
驚きと新鮮さを持って見たのを覚えています。

 

エコーが終わって椅子に座ると
写真を見ながら説明をされました。

 

首の後ろに影があること、
この影がむくみで、ダウン症児の可能性があることを
丁寧に分かりやすく教えてくれました。

 

まだはっきりとは分からないから2週間後に
もう一度来るようにと言われて健診は終わりました。

 

健診が終わってすぐは
「ダウン症かぁ。私の子だからきっとかわいいよ。」と
前向きに捉えていました。

 

ですが、家に帰る車の中で
どうして私の子が?育てていけるのだろうか?
自立した人生を送ってくれるのだろうか?と
どんどん不安が膨らんでいきました。

 

家に帰ってからはインターネットで
「胎児 むくみ」「ダウン症 胎児」などと
キーワードを入れて、手当たり次第に記事を読みました。

 

ダウン症の方の映像、
ダウン症のお子さんを育てている親のブログなども目に入りました。

 

ダウン症があっても幸せに生きていける、
周囲から愛される人生を送れると感じる一方、

 

羊水検査で染色体異常があると確定した人の多くが
堕胎を選択していることも知りました。

 

産まないという選択があるにも関わらず
自分は産むという選択をするのか、
苦労が多いだろう道を選ぶのかと悩みました。

 

友達にも職場の同僚にも親にも言えず、
唯一主人にだけ話をしました。

 

主人は、「まだ分からないんでしょ?」
「大丈夫だよ。どんな子でも育てるよ。」と言ってくれました。

 

そして、「ちゃんと産むんだよね?」と言われました。

 

「うん。」と答えましたが、
「ちゃんと」という言葉に違和感を持ちました。

 

私も自分の身に起きるまでは産むべきだと思っていました。

 

どんな子でも自分のところに来てくれた子なのだから
産むべきだ、と。

 

でも、産まないという選択肢もある。
そのことが私を悩ませました。

 

親は何というのだろう?可愛がってくれるだろうか?
友達にはどんな風に紹介したらいいのだろう?と
周りの目を気にしている自分がいました。

 

2週間という日々がとてつもなく長く、
家事をして仕事をして決められたことだけをして過ごしました。

 

その2週間の間に、NT検査の結果が陽性であっても
トリプルマーカー検査も羊水検査もしないと決めました。

 

産まないという選択があるから悩んでしまう、
きっとダウン症であってもなくても
産まれた我が子を見ればかわいいと思うはずだと思ったからです。

 

結果は、むくみは見当たらず、
恐らく大丈夫だろうというものでした。

 

 

妊娠6ヶ月になりましたが、
産まれてくるまでどんな子なのか分かりません。

 

産まれた後も、何が起きるかは分かりません。

 

でも、どんな子でもどんな状態になろうとも
大切に育てようと思っています。

 

 

どんな決断にも間違いはない

 

染色体異常や出生前検査の記事には
様々な意見が書かれています。

 

産むことが善、産まないことが悪という記事も
多く目にします。

 

しかし、選択は妊婦とその家族に任されています。

 

短期間で大きな決断をしなければなりません。

 

どんな決断をしても、悩むことはあるでしょう。

 

でも、考えて考えた末に出した決断なら
どんな決断であっても間違いではないと思います。

 

できれば、妊娠を考えているときから
またはもっと早くから自分はどうするのかを
考えておけるといいのだと思います。

 

誰もが染色体異常の子どもを妊娠する可能性がある。

 

そう知っていれば、考える時間もたくさんあると思います。

 

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