妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)の後遺症の症状やリスクについて
妊娠性高血圧症候群(PIH)は、
まず妊娠の継続を終了させることが
治療の第一と説明してきました。
PIHは主に、妊娠中の症状として大々的に挙げられて
いますが、もちろん後遺症の症状が伴ってくることもあります。
日本産婦人学会では、PIHを発症することで様々な疾患
にかかりやすく、予後に影響すると提言されています。
主に中高年のPIHのリスクを挙げていますが、PIHの既往
の人は是非今後の参考にしていただけると幸いです。
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高血圧の発症のリスク
中高年の高血圧症になりやすいリスクとして、
PIHの既往、高血圧家系、BMIが高いことが
挙げられています。高血圧症の既往を
持つ女性の中で半数はこの3つが絡んでいると
わかっています。さらに、肥満要因が加わり、更年期の以降
70%の人がかかるというデータもあります。
初回PIH重症であった例での比較では、
再妊娠後正常分娩を終えた人と
PHI重症になる人を比較すると、前者は8%、
後者は72%と大差が見られ、後者は高血圧症を罹患した率が
高かったデータがあります。妊娠性高血圧腎症(GH)
の既往女性は特に予後高血圧の発症率が高いとされています。
このことからPIHを繰り返す方や腎症の合併の人ほど
高血圧症の発症率が高いと言えます。
虚血性心疾患の発症のリスク
他の国でおけるデータでは、初産婦の予後の中で
虚血性心疾患の発症による死亡例の
研究論文があり、虚血性心疾患のリスク
として肺血栓塞栓症(PE)の発症がリスクとして挙げられます。
早産でのPEの発症が8%に比べ、
正期産のPE発症は16%と2倍の結果が出ています。
どちらにせよ、PEの発症にて虚血性心疾患の発症の
リスクがあるということがわかります。
脳血管障害の発症のリスク
生活習慣病で発症しやすいと
言われている脳血管症(CVD)がですが、
原因は高血圧が挙げられます。
PEの既往の女性では、CVDの発症の
リスクとならないとされて、PIHの発症のない経産婦
(2回目以降の産婦)は未産婦よりリスクは低いとされている
データがあります。
他の国でのデータでは、PEの早産の例では、5倍であるのに対し、
正期産でのPE発症はそれほど高くないデータもあった。
PEの発症がなくても、早産歴があるだけでのリスクがある結果となった。
また、PE歴の既往歴の女性よりも、GH既往の女性よりもCVDの発症率
が高いことも知られている。CVDによる死亡例は、PE既往の女性が3%
に対し、GH既往の女性は2%とPE既往の女性がより、CVDに罹患しやすい
ということになります。
腎障害の発症のリスク
妊娠性高血圧腎症(GE)を発症し、さらに低出体重児
(1500〜2500g未満)を出産した女性は、正常出産した女性に比べ
今後腎臓が悪くなる率は、4.4倍という結果も出ています。
更に恐ろしいのは、GEと調停出生体重児(1500g未満)の出産した女性は、
17倍のリスクがあります。同じGEでも、子宮内胎児発育遅延(以下IUGR)
を伴うのか否かで腎障害の発症に影響をもたらすデータもあります。
妊娠性高血圧症候群の後遺症にならないためにも
妊娠性高血圧症候群を発症した女性は、
高血圧、心疾患、脳血管障害、
腎障害と全身状態が悪化しやすいリスクのあり、
これからかかりやすくなることがわかりました。
妊娠性高血圧症の全ての人に当てはあるわけではありません。
しかし、生活習慣を見直すことで
発症の予防が可能であることも確かです。
私は、遅発性の妊娠性高血圧症の重症になり、
緊急で出産をした経緯もありましたが、
1ヶ月検診まで降圧コントロールのための通院以降
内服はしていません。20代後半ということや妊娠による高血圧症で
あったことが長引かず済んだことだと思います。
色々と難しいことを伝えてもわからないこともありますが、
バランスのよい食事、適度な運動ですが、
特にストレスをためないことが一番です。
リフレッシュできるような環境を
自分で作っていくことが大事だと思います。
今後私も再妊娠した時に、またPIHになるかもしれない、
今度こそ一生の病気になってしまうかもしれないという不安は常にあります。
でも、悩むより先に繰り返さないためにやれるべきことをやってから
先を考えるように私はしています。
楽しい妊娠生活や産後の生活を過ごせるよう、
日ごろからの生活習慣の見直し、
快適な妊娠生活を送れるようにしましょう。
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