妊娠中のりんご病、予防法やかかってしまった時の治療法
妊娠すると、妊娠前よりも免疫力が
弱まってしまうことで、風邪をひきやすく
なってしまったりなど、体調を崩して
しまうこともあるかと思います。
特に、ウイルスなどへの感染は、赤ちゃん
への影響が気になってしまいますよね、
今回はそんな感染症の中でも
りんご病について、妊婦、胎児への影響
や予防、治療法を紹介します。
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りんご病ってどんな病気?症状や感染経路など
りんご病とは、名前の通り頬が
りんごのように真っ赤になる病気のため
その名で呼ばれていますが、正式名称は
「伝染性紅斑」といいます。
原因はパルボウイルスB19という
ウイルス感染によるもので、感染経路は
せきやくしゃみなどの飛沫感染や、接触
感染によるものです。
例年春頃〜7月上旬にかけて症例が多く、
3〜10歳くらいの子どもがよくかかる
病気です。
潜伏期間が10〜20日間と長く、潜伏期
が終わると、子どもの場合、頬が真っ赤に
なります。ここで初めて「りんご病だった」
とわかるケースが多いのです。
大人も感染する場合があり、子どもとは
異なり頬に紅斑が現れないことが多い
ですが、感染した多くの人は、関節痛や
全身倦怠感、風邪の諸症状を感じるようです。
りんご病自体は身体に影響を及ぼすような
重大な病気ではありません。しかし妊婦が
感染すると、胎児にも感染する可能性が高い
ことから危険視されているのです。
りんご病が胎児に与える影響とは?
では、妊婦や胎児がりんご病に感染して
しまうと、どのような影響があるのでしょうか。
感染した妊婦自身は、先に紹介したとおり、
紅斑が出たり風邪の諸症状が出るのみなので
大した重症化はしません。
しかし、母体が感染してしまうと、胎盤を
通じて胎児も感染する可能性があるのです。
そもそもパルボウイルスとは、赤血球の
もとになる「赤芽球」という細胞に感染し、
赤血球の供給を阻んでしまうウイルスです。
胎児が感染してしまうと、胎児の赤血球も
減少してしまい、結果として胎児貧血と
なってしまう可能性があります。胎児貧血に
なると発育が遅れてしまうため、低出生
体重児となる恐れがあります。
また、胎児貧血が重症化すると胎児の
むくみがひどくなる、「胎児水腫」となる
可能性があり、恐ろしいことにこの胎児
水腫は最悪の場合、流産を招いてしまうのです。
ある検査では、りんご病に感染した母体の
うち30%ほどが胎児に感染し、更に
そのうちの30%ほどが胎児水腫や子宮内
死亡となる、という結果が出ています。
つまり、感染した妊婦のうち10%の赤ちゃんが
何らかの理由により死亡する、ということ
なのです。低い確率、とは言えないですよね。
では、時期によって胎児感染のリスクの違いは
あるのでしょうか。
感染の時期が早ければ早いほど、その
リスクは高まります。特に、妊娠が判明
してから20週までの、初期〜中期にかけての
時期が致死率が高いため、注意が必要と
言われています。
胎児が小さいほど、その治療法が限られて
くるからです。
また、妊娠後期にあたる33週を過ぎると
早めに出産をして輸血を行うなど、直接
赤ちゃんに治療することも可能になってくる
ので、致死率は少しずつ下がってきます。
しかし、初期〜中期に感染したから絶対に
危険、後期に感染したから安心、という
わけではありませんのでご注意くださいね。
万が一妊婦がかかってしまった場合の治療法
もしもりんご病にかかってしまった場合には、
妊婦自身の症状を緩和するために薬を服用
しながら治療を行っていくこととなります。
母体に感染してから胎児に影響が出るまでは
なんど2週間〜17週間もかかるのです。
とても長いですよね。
ですので、母体の感染が確認されると、
まずは長期にわたって胎児にむくみなどの
影響が出ていないかを、エコーなどでこまめに
経過観察を行っていくこととなります。
先ほど、33週をすぎると直接輸血できる
ことを紹介しましたが、初期や中期の場合でも
お腹の外から針を刺して赤ちゃんに輸血する
ことで、治療できるケースもありますよ。
りんご病の予防法と抗体検査の体験談
私は妊娠期間中、保育園で働いていました。
2016年、りんご病が流行するといわれて
いる年で、自分が働く園でもりんご病の
園児がいたのです。
性質が悪いことに、りんご病は潜伏期間が
終わり、感染力が弱まった頬が赤くなる頃に
初めて「りんご病だった」という診断と
なるため、気付いた頃にはもう感染が始ま
っていました。
そこで急いで抗体検査を行うため、産院を
受診しました。
りんご病の抗体検査は、採血をすることで
簡単に検査出来ますよ。但し、妊婦健診に
組み込まれているものではないため、
自分で医師に申し出る必要があり、保険も
ききません。
抗体検査では、「最近(3ヶ月以内)感染
したかどうか」と、「免疫を既に持っている
かどうか」を知ることが出来ます。
りんご病は、一度感染すると免疫が出来るため
2度とかからないと言われています。抗体
検査で「免疫がある」と結果が出れば安心
ですね。
また、「3ヶ月以内の感染」が検査によって
認められた場合には、今後出産まで経過観察
を行っていくことになっていきます。
私の場合は、小さい頃に感染していたようで
抗体があったため一安心でした。
しかし念のため予防は怠りませんでした。
私の場合、何日か仕事は休ませてもらいました
が、その他具体的な予防策としては、マスク
などで飛沫感染の予防をし、うがい手洗いを
徹底しました。
通常であれば、りんご病患者との接触を避ける
ことが一番の予防策です。
残念ながら、りんご病にはワクチンが存在
しないため、予防接種によって事前に防ぐ
ことは出来ません。
抗体検査と自己防衛を大切に
りんご病に予防接種がない以上、自ら
予防をして感染を防ぐしかありません。
また、もしもりんご病にかかってしまった
場合には、早期発見・治療が何よりも
大切になります。
そこで、まずは妊娠がわかったら抗体検査を
早めに行い、妊娠中にりんご病患者と接触
した場合には、すぐにかかりつけの産婦人科
医に相談し、赤ちゃんの様子を観察して
いきましょう。