トキソプラズマに感染した時の症状や潜伏期間について

トキソプラズマに感染した時の症状や潜伏期間について

 

妊娠中に避けたい感染症の一つで
あるトキソプラズマ症。世界人口の
約3分の1が保虫者とされていますが、

 

妊娠時の感染にはどの様な影響が
あるのでしょうか。感染したときの
症状や潜伏期間など正しい情報を
得ておきましょう。

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トキソプラズマって?潜伏期間など

 

トキソプラズマ症とは、トキソプラズマ原虫
(一属一種の寄生生物)により引き起こる
感染症の事です。

 

先述の通り数十億人が感染していると
推定され一旦感染すると生涯効果の続く
免疫が体内に作られます。

 

感染した場合、本人の免疫力によ
り症状や潜伏期間が異なります。

 

 

・健康な人が初感染した場合
免疫系の機能により症状を自覚しないか
リンパの腫れ、頭痛など風邪に似た症状が
顕れる。

 

症状が個人によって曖昧であるため、
潜伏期間も大まかになっている。

 

猫の排泄物からの感染の場合
1週間〜20日程

 

他動物の生肉を摂取した場合は
10日〜長い人で1か月程。

 

稀ではあるが急性症状を訴えるケースも。

 

 

・免疫不全者や幼児が感染した場合
肺炎・脳炎や中枢神経系障害など
難しい疾患を引き起こす可能性がある。

 

再度の感染により、潜伏していた
トキソプラズマが再活性化する
割合が多い。

 

 

先天性トキソプラズマ症の症状とは?

 

妊娠している女性がトキソプラズマの
初感染に陥ると、胎盤を透過して胎児が
子宮内感染する恐れがあります。

 

そういったケースを
『先天性トキソプラズマ症』
と称します。

 

妊娠状態で初感染する=必ずしも
胎児が先天性トキソプラズマ症を
発症する訳ではありません。

 

妊娠する半年前までの感染については
胎児へ影響がないと断言されています。

 

先天性トキソプラズマ症が
胎児にもたらす症状としては

 

・精神発達の遅延
・運動能力の遅滞
・視力障害
・水頭症
・脳性まひ
など。

 

最悪の場合流産・死産の危険性も
はらんでいます。

 

妊娠中のどの時期かによっても
重篤度や発症する確率が
異なることも分かっています。

 

妊娠初期に母親が感染した場合は
実際に胎児へ垂直感染する割合は低い。
しかし心臓など重要な器官を形成する
時期であるため発症すると重篤化しやすい
傾向です。

 

妊娠週数が進むにつれ胎児への感染率も
上昇するが病状が軽度で済む、または感染
しても症状が顕れない確率が高まります。

 

 

現在の日本では、先天性トキソプラズマ症に
より重篤な疾患をもち誕生した新生児は
例年5〜10件程報告されています。

 

しかし、それまで症状が無かったが成人を
向かえる頃に視力障害として病徴が現れる
ケース、重症で妊娠中に流産しているケース
など、実際に罹患している胎児の数はそれを
上回ると言えるでしょう。

 

 

トキソプラズマの抗体検査

 

トキソプラズマの抗体が体内に出来ているのか
妊娠中に実施可能な検査があります。

 

・抗体検査
主に妊娠初期に行う血液検査。
費用は1000円程度。

 

現状で検査を実施している
産婦人科数は半分ほど。

 

初感染を経て体内に抗体が生成される
までに2週間前後かかる。よって感染の疑いを
もった事項が発生した場合、その日から
2週間以上空けてからの検査となる。

 

 

・検査結果が陽性の場合
更に精密な検査に進み初感染の時期を
推測する。時期を完璧に断定できる訳
ではない。

 

・アセチルスピラマイシンによる投薬治療
妊娠時の初感染疑いが濃厚の場合に
投与する。出産まで服用する事で、胎児の
疾患の重症度が最大7分の1までに抑えられる
とされている。

 

 

感染を防ぐには

 

人間がトキソプラズマに感染する
経路は経口感染が主です。
感染予防への注意点を挙げてみます。

 

 

・生肉は口にしない
ユッケや馬刺し、ローストビーフや
生ハムなど。ほとんどの哺乳類・鳥類が
トキソプラズマに感染しうる為。

 

中心までしっかり加熱されている保証の
ないものは避けた方が無難。自宅の調理
器具への汚染も考えられるので洗浄・殺菌を
お忘れなく。

 

 

・猫のトイレの始末
猫の糞尿に紛れているトキソプラズマの卵が
感染力がつく前に、出来る限り早く処理をする。

 

可能であれば妊婦以外の家族が行う。
猫が生まれてから一度も外に出ていない、
生肉を与えていないのであれば感染の
心配はない。

 

 

・ガーデニングや公園の砂場
猫の糞尿が混じっている可能性があるので
素手で触れない事。作業後には石鹸で
手洗いを。

 

生の野菜は丁寧に洗い、できるだけ皮を
除去する。

 

 

落ち着いて予防に努めましょう

 

現在トキソプラズマの予防接種は
存在しません。

 

ですが早くから治療を開始していれば
重篤化を抑えられる感染症です。

 

普段から頭の片隅に留めておいて、
心配であれば速やかに医師にご相談下さい。

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