双子を妊娠、出産のリスクや知っておいてほしいこと

双子を妊娠、出産のリスクや知っておいてほしいこと

 

 

日本では、1975年に排卵誘発剤を
使った不妊治療もスタートし、
1983年には体外受精も開始されました。

 

その影響もあるのか、双子比率は
多少なりとも多くなっています。

 

「かわいい」と振り返られたり、
「いいなぁ」と羨ましがられることも、
双子ママにはとっては
珍しくないかと思います。

 

これからママになる若い方から
「双子を産みたい」なんて声も
よく聞くところです。

 

そうは言っても、双子の赤ちゃんを
授かった時点で、喜びだけが
2倍になるわけでありません。

 

本来、妊娠をするということ
自体が奇跡的な確率であり、
妊娠した時点でママの体は
非日常的な状態に陥ります。

 

それが双子であった日には、
一回の妊娠で一人の赤ちゃんを
産むように創られている
ママの体にかかる負荷、
お腹の中の赤ちゃんにかかるリスクも、
半端ではありません。

 

実際に、検診に行く度に医師から
起こりうる事態(妊娠中のトラブル)
の説明をされ、不安を抱きながら
過ごすママもいます。

 

では、具体的に出産の時どんなリスク
があるのか、どうすれば
安心して過ごすことが
出来るのか、紹介します。

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双子妊娠のパターンやリスクについて

 

まずはお腹の赤ちゃんの状態を
知っておきましょう。

 

一言で「双子」と言っても、
お腹の中の状態は必ずしも
同じではありません。

 

一卵性の双子
(1つの受精卵が細胞分裂の過程で2つに分離)
では、1つの胎盤に対しては
赤ちゃんのための部屋が1つだけの
場合と赤ちゃんのための部屋が
2つの場合があります。

 

前者は1つの部屋に2人ともがいるため、
双子であるということが4・5ヶ月まで
分からなかったり、へその緒が
絡まったりするトラブルも起こりやすい、
とも言われます。

 

またどちらのパターンであっても、
栄養を供給する胎盤が1つであ
るため、どちらかに栄養が
偏ることもあります。

 

 

二卵性の双子
(2つの受精卵が別々に着床)では、
胎盤も赤ちゃんのための部屋は
2つできます。

 

双子妊娠の中では最も安全な状態です。

 

2つの胎盤が癒着し、
1つの胎盤を2人の赤ちゃんが
共有するのと同じ状態にあった場合、
どちらかに栄養が偏り、
1人は元気に、1人は
未熟児なんてことも珍しくはありません。

 

 

双子を妊娠中に起こりやすいトラブル

 

妊娠中の食事は気を付けたいものですが、
特に2人分の栄養を赤ちゃんに
送らなければいけない、つまり、
多くの血液が必要となりますね。

 

妊娠初期からつわりなどの症状が
ひどく食事がとれない場合、
貧血などが出やすくなる傾向にあります。

 

医師と相談の上、鉄剤などの処方を受けましょう。

 

4・5ヶ月を過ぎてくると子宮が
重力に逆らえず破水したり、
お腹が張りやすくなり、
切迫早産のリスクもあります。

 

状態によっては早い段階での入院生活
スタートとなる場合もあります。

 

同居する家族が困らないよう、
妊娠が分かった時点で
家の仕事を夫婦で行ったり、
ママ自身もサポートが受けやすいように
親兄弟の連絡先を確認しておくなど、
事前によく話し合い、緊急時に
対応できるように準備が必要です。

 

 

日常生活への影響

 

お腹が大きくなってくると、
ママの体には思う以上に
負担がかかることも、
念頭においた方がいいでしょう。

 

妊娠5ヶ月を過ぎると、
単児の場合の1.5倍のスピードで
お腹は大きくなると言われています。

 

28週〜30週を過ぎる頃には、
お腹周りは120センチ程になる
場合もあります。

 

足元が見えないだけでなく、
トイレと食事以外の時は
動けなくなることも想定
しなければなりません。

 

お腹は限界まで大きくなっていますので、
赤ちゃんが動くだけで、
かなりの痛みが体の節々に
走ることもしばしばあります。

 

2人同時に動かれたら、
その間はじっと耐えるしかありません。

 

管理入院にならず、
妊娠後期を迎えたとしても、
自宅で安静にしていなければならないのです。

 

意識して安静に過ごす、というよりは、
ママ自身が動けないと
思っていた方がいいかもしれません。

 

 

病院の選び方のポイント

 

病院選びのポイントは
いくつかありますが、まず念頭に
置いておきたいのは、赤ちゃんに
とって何が一番か、です。

 

例えば出産方法ですが、
自然分娩と帝王切開、自身で
どちらにしたいか。

 

またはそれが可能なのかどうかという点です。
自然分娩は赤ちゃんが
2人とも頭位(頭が下向きになっている)
場合でなければ出来ません。

 

病院によっては1人が誕生した
後に2人目の赤ちゃんに
トラブルが発生しやすいという理由から、

 

自然分娩は行わない病院もあります。

 

帝王切開は当然ママ自身の
お腹を切りますので、
入院生活が長引いたり、
帰宅後もかなりの体力が落ち、
双子の面倒を見ながらも
自分も安静が必要なこともあります。

 

自然分娩を選択し、2人目の赤ちゃんは
急遽帝王切開ということになると、
出産で体験することができる
痛みのフルコースとなりかねません。

 

赤ちゃんの状態を確認しながら、
医師とよく相談の上、
お腹の赤ちゃんにとって
最も危険度が少ない方法は何なのか、
じっくり考えなければなりません。

 

その他、実家の近くや、
パパの通いやすい場所
(自宅と職場の間など)、
助け手となる人たちが動きやすい場所
であることもポイントの一つです。

 

万が一、頼れる身近な人がいない場合は、
市町村の役所などが行う
子育て支援事業のサポートを
利用する事も出来ます
(事前にどんなサポートがあるか、
自分は受けられるかどうかの確認は必要)
が、その場合は個人病院よりも
総合病院の方が役所との
連携がとりやすいこともあります。

 

 

1人で抱え込まないで

 

僅か一年未満の妊娠期だけではなく、
子育てにはたくさんの
悩みや困難がついてきます。

 

ベビー用品の買い揃えも
必要なことですが、嬉しいことも、
不安なことも、夫婦で話し合える環境を、
赤ちゃんを家に迎える前に
是非整えていきましょう。

 

夫婦2人で不安であれば、
おじいちゃん・おばあちゃんも巻き込んで、
皆で赤ちゃんを育てていくような
環境が望ましいものです。

 

双子妊娠が二度目以降であれば、
上のお子さんの手も借りて、
一緒に双子を育てていく
ぐらいの気持ちでいいでしょう。

 

そうすることで上のお子さんも
お兄ちゃん・お姉ちゃんに成長してくれます。

 

その姿に励まされて、ママも頑張れます。
前文で記した「2人同時に動かれたら…」。
そんな時に上の子が
「ママ大変だから、もうちょっと静かにね」
とお腹に話しかけてくれる姿に、
辛くとも幸せを感じることもあるのです。

 

1人で抱え込まず、頑張りすぎずに、
皆の手を借りて下さい。

 

支えてくれる誰かの手を、
しっかりと握り返して「ありがとう」
と思い切りの笑顔で言いましょう。

 

ママの笑顔なければ、
家族皆も笑顔にはなれません。

 

双子を授かって喜び2倍、
ではなく2乗・3乗、
それ以上の喜びに繋げていきたいものですね。

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